「ありがとう」の反対は?2024年02月07日
現在の広告制作の仕事をするまで、長い間飲食店で働いていたのですが、その時店長にこんな質問をされたことがあります。
「ありがとうの反対の言葉って知ってるか?」
「??」それまでまったく考えたこともなかったことでした。「ありがとうの反対?何なんですか?」と聞くと「ありがとうの反対は『当たり前』や。」と返ってきました。
「ありがとう」は漢字で「有り難う」と書きます。つまり「有る」ことが「難い」という意味で「珍しい」「滅多にない」ことを表しています。そんな「有り難い」ことをしてもらった時の感情「感謝」を伝える言葉として「ありがとう」は使われるようになったそうです。
「は~、なるほど~」と当時の私は心底関心しました。とても興味深い話だったので、この時のことを今だによく覚えているのですが、その話の最後に店長が話してくれたことは、さらに私の記憶に強く残っています。
「ええか。お客さんはお金を払ってサービスを受ける。だからお客さんの想定内のサービスはお客様にとって「当たり前」や。そこを5点でも10点でも超えてはじめてお客さんは「ありがとう」と感じてくださるんやで。」
それから月日は流れ、職種は変わりましたが、お客様と向き合う時私はこの言葉をいつも思い出します。
自販機にお金を入れてジュースを買う時「ありがとう」と感じる人はあまりいません。自販機にお金を入れてジュースが出てくるのは、もはや我々にとって「当たり前」になっているからかもしれません。自販機は自販機で十分に価値はあります。しかし、サービスを生業とする以上「当たり前」では、やはり寂しいですよね。お客様の当たり前を超え「ありがとう」をたくさん感じていただける「プロのサービス」を目指したいものです。